元スポーツマンで、挫けていた僕を癒したのがガールズバー
名前：フェイダウェイ・ジャンプショット 年齢：24歳
身長192cmの僕は、周囲のススメによって学生時代ずっとバスケットに打ち込んできました。ただメンタル面が弱く、チームメンバーと仲良くできなくて、コミュニケーション力に大きな難点があったのです。
また、叱責されると腹が立つという愚かな点が直せなかった。顧問のアドバイスも無視することから、まるで人気バスケット漫画に出てくる失敗役の男同然。
次に就職の時には、高身長と目立つ見た目から営業職を奨められました。流されるがまま職を決めた僕は、スポーツとは正反対の人生を歩み始めます。ただ、営業職はバスケ時代のように罵倒が日常茶飯事。太陽光発電システムにまつわる業務内容でしたが、契約を取れなければキツイお叱りもあります。
休みは日曜日と隔週土曜日のみ。でも体力だけはあるので、無遅刻無欠勤で休日に関して不満はありません。
趣味はお酒関連で、徳利やお猪口を集めたり、バーへ飲みに行ったりするがストレスの発散方法です。だから何とかやっていけるだろう、そう思っていました。
しかしある給料日前、浮かれていたため箸にも棒にもかからない成果で事務所に戻って、日報を書いている時のことです。むっとする発言を聞いてしまいテンションは急降下。
「あいつはただデカいだけ、何にも役に立たないな」という陰口を、聴覚の良さから聞き取れてしまったのです。この野郎……と苛立ち、次の日もイライラ。営業中にはカフェへ行き、おさぼりをする始末。
飲みたい、とにかく飲みたい。そう思い行きつけのバーに行きました。しかしバーは1人だと話す人がない。マスターも忙しければ、相手にもしてくれない。
塞ぎ込んでいたところ、1人客のダンディーな40代と思わしき男性が落ち込んでる様子の僕を見かねて、話しかけてくれました。
それが嬉しくて思わず怒涛の勢いで愚痴を垂れ流してしまいましたが、彼はそんな僕に苦笑しつつも「ストレス発散が第一なら、ガールズバーが良くないだろうか？」そうアドバイスをしてくれたのです。
魅力を聞いたところ、キャバとは違う庶民的な良さがあるとのことで僕は興味しんしんに。早速行ってみましたが、入った瞬間から気持ちは浮き立っています。
「どうしてウチの店を選んだのか、理由を知りたいです」とキャストさんから言われ「バーでは話す人もいなくて、癒しを求めに来た」と率直な気持ちを伝えました。僕の寂しさを察知したのか、ついてくれたMちゃん（21歳）は、テンションを上げたトークを展開してくれます。
そこで僕が高身長なことから、スポーツをしていたかはすぐに聞かれました。「バレー？バスケ？」と聞かれた時、バスケと答えたら某漫画のファンだったらしく、会話もどんどん盛り上がりを見せます。
思い切って営業での愚痴を言ったところ「辛いね……成果が出てなくても一生懸命働いてるんだから、陰口なんて筋違いだよ！」と想像を超えた反応の良さ。
またまた嬉しくなった僕は、丁度ガールズバーの安さから、こんなにコスパが優れていて良いのだろうかと思っていたため、キャバで言うところのドリンクを入れてあげたいという気持ちを伝えました。
ありがとうとお礼を言われオーダーしてあげたのですが、1,000円にも満たない額だったので懐事情的にもノープロブレム。
そこで彼女は他の客のもとへ行きましたが、指名制の夜のお店じゃないから空気は読める僕はしっぽりとお酒を楽しむタイムへ。
男と女が仲良くしている姿は気持ちが良いものじゃありませんが、ガールズバーは何か違う。リア充的な光景を見ても腹が立たないのは、果たしてお酒の力か、あるいは彼女たちのプロフェッショナルな接客態度なのか、また来てみたいと思っていました。
あと、僕はカラオケが苦手なのですが客席で歌う男たちや、デュエットをするキャストさんの姿を見て、微笑ましくなって拍手をしてノリノリになっていました。
するとMちゃんが戻ってきて「ごめんね、今日はお客さんが多くて……」と告げますが、大丈夫、ほんわかしていて、待っている間も楽しかった。と、そのような言葉を伝えたら、「嬉しい！」と驚愕されたのです。
仔細をうかがうと、「待ち時間でこの俺を放置したのか？」と詰められたこともあったそう。それはガールズバーに向いていないお客さんだねと語ると、「お兄さん、ガルバは初めてじゃないでしょう（笑）」という突っ込みが。
こんなにも初めてで打ち解けて、非現実的な世界観を味わえるガールズバーはこの上なく面白い。
会計は5,000円程度で1時間も楽しめたので、月換算で2回行っても1万円。ええ、もちろんですが何度でも通う予定ですよ。ストレス発散度でいうと、バーの2倍はあると感じましたからね。
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