嫌な客を反面教師にコミュ力をつける
名前:なんでやねん 年齢:32歳
俺はとにもかくにもモテません。好きな女の子に告白したことはありますが、お付き合いに発展した回数はゼロ。
確かにイケメンではないけど、不潔にしてる覚えはないし、仕事もめっちゃちゃんとしてます。学生時代だって授業はまじめに受けてたし、学歴もそれなりで頭も悪くないと自負しており、不安に感じる要素、嫌われる要素がどこにあるんだろう……と毎回首をかしげているのです。
もしかしたらこの真面目具合がとっつきにくいのだろうか、と思ってちょっとフランクに相手に接してみると、距離感を間違えたのか何かまずいことを言ったのか、更に女の子たちから嫌煙される結果に。
一体何がまずいんだ、と職場の同僚と飲みに行ったときに聞いてみたところ「あーお前はノンデリだからなー」と一言。
の、……?なんだって?と聞き返せばノンデリカシー、つまりデリカシーのない男なのだとなじられました。気を遣えないし、口下手なせいもあり無理に喋れば自分の自慢や誰かの悪口が話のタネになる……と随分言ってくれたもので、覚えてろよ……とも思いますが概ね図星なので反論できません。
「お前は紳士的な態度を学んだ方がいいし、女の子の扱いにも慣れたほうがいい」という同僚ですが、私なんかと飲みや遊びでさえお付き合いしてくれる女の子などまぁ居ないのですから、どこで学べというんだと反論すればガールズバーに行けと言われました。悩み相談とかも乗ってくれるよ!と。
接待でキャバクラに行ったことはありますがガールズバーは経験がありません。キャバクラだって、上司やお偉方に媚び諛うのに必死で女の子どころではありませんでした。(ちょっとでも女の子を取ったら機嫌を損ねられそうで怖かったので)
そんな初めての場所にコミュ障ノンデリ男が放り出されてもまともに楽しめるわけがありません。同僚に頼むから一緒に来てくれと頼み込み、後日二人でガールズバーに行くことになりました。仕方ないなぁ見たいな態度の同僚に業腹ながらもホッとしました(笑)
友人は何度か行ったことのあるというガールズバーをチョイスしてくれて、ネットに店舗の画像が載っていたので見せてもらったのですが、思っていたよりもおしゃれで驚きます。どんなのを想像したのかといえば、ネオンとかLEDとかがバチバチのファンキーなものなのですが……(笑)そのお店はシックというか、木目調のバーカウンターに落ち着いた雰囲気の店内をしていて、女の子たちも可愛らしい。
そんなもの見てしまったらもう当日が待ち遠しくて仕方ありません。ウキウキで当日を迎えます。
同僚の後ろ(席に着いてからは隣)で緊張しながら「余計なことをしない、余計なことを言わない……」と自己暗示をかけていれば「緊張しすぎだよ(笑)」と同僚にも女の子にも笑われてしまいます。
すると同僚が「コイツさ、女の子にモテないのが悩みでさー女の子の扱い教えてあげてよ(笑)」とか言い出すので、今度こそ覚えてろよ……と奥歯を噛みしめます。
しかし、女の子慣れするためにも必要な修行だとも言えるので歯ぎしりの音が外に聞こえる前に「お願いします……」と蚊の鳴くような声で言う俺。しかし、初対面の俺へのアドバイスは流石に難しかったようで「じゃぁ今まで嫌だったお客さんのこと教えてよ、それと反対のことすればいいんでしょ?」と聞けば「それならいくらでも話せる!!(笑)」と。以下箇条書きメモです。
・なんかキモイ、生理的に無理な客
・ガチ恋拗らせ勘違いおじさん
・ナチュラルに女をバカにしてくるやつ
・視線がキショイ男
・なぜか手作りの料理やお菓子を持ってくる迷惑客
・おさわりとかセクハラが酷い人
・肉体のケアがしきれてなくてキモイ人
・幼稚な子供おじさん
・自慢話を永遠としてくる人
ざっと書き出してみるとこんなもんでしょうか。最近指摘されたばかりのため心当たりがあって汗をかきました。これと反対のことをするんだよな、と思っても、じゃぁいざどんな会話をすればいいか困ってしまいました。
そう言うと、女の子側から上手く話題を振ってくれるのです。これがプロの技か……と感心するばかり。
それ以降、俺は1人でもガールズバーに通うようになり色々な女の子と会話を重ね、コミュニケーションレベルを地道に重ねていっています。